PCBとはどんなものですか?

■PCBの用途

PCBは電気機器用の絶縁油、各種工業における加熱並びに冷却用の熱媒体及び感圧複写紙など、以下のとおり

様々な用途に利用されていました。現在で新たな製造が禁止されています。

用途 製品・使用場所
絶縁油 トランス用 ビル、病院、鉄道車両、船舶等のトランス
絶縁油 コンデンサ用 蛍光灯の安定器、白黒テレビ、電子レンジ等の家庭用コンデンサ、直流用コンデンサ
備蓄用コンデンサ
熱媒体 各種化学工業、食品工業、合成樹脂工業等の諸工業における加熱と冷却
船舶の燃料油予熱、集中暖房、パネルヒーター
潤滑油 高温用潤滑油、油圧オイル、真空ポンプ油、切削油、極圧添加剤
可塑剤 絶縁用 電線の被膜、絶縁テープ
可塑剤 難燃洋 ポリエステル樹脂、ポリエチレン樹脂
可塑剤 その他 ニス、ワックス、アスファルトに混合

感圧複写紙

塗料・印刷インキ

ノンカーボン紙(溶媒)、電子式複写紙

印刷インキ、難燃性塗料、耐食性.塗料、耐薬品性塗料、耐水性塗料

その他 紙等のコーティング、自動車のシーラント、陶器ガラス器の彩色、農薬の効力延長剤
石油添加剤

PCBの性質

水にきわめて溶けにくく、沸点が高いなど物理的な性質を有する主に油状の物質です。
また、熱で分解しにくい、不燃性、電気絶縁性が高いなど、科学的にも安定な性質を有することから、電気機器の絶縁油、熱交換器の熱媒体、ノンカーボン紙など様々な用途で利用されてきましたが、現在は製造・輸入ともに禁止されています。

PCBとはポリ塩化ビフェニル化合物の総称であり、その分子に保有する塩素の数やその位置の違いにより理論的に209種類の異性体が存在し、なかでもコプラナーPCB(コプラナーとは、共平面状構造の意味)と呼ばれるPCBの毒性は極めて強くダイオキシン類として総称されるものの一つとされています。

PCBの毒性

脂肪に溶けやすいという性質から、慢性的な摂取により体内に徐々に蓄積し、様々な症状を引き起こすことが報告されています。

PCBが大きく取りあげられる契機となった事件として、昭和43年に食用油の製造過程において熱媒体として使用されたPCBが混入し、健康被害を発生させてカネミ油症事件があります。一般にPCBによる中毒症状として、目やに、爪や口腔粘膜の色素沈着、ざ瘡様皮疹(塩素ニキビ)、爪の変形、まぶたや関節の腫れなどが報告されています。

PCB廃棄物の分類

PCB廃棄物は、PCB濃度等により、高濃度PCB廃棄物と低濃度PCB廃棄物に分類されます。
高圧トランス・コンデンサ等の高濃度PCBは中間貯蔵・環境安全事業株式会社(JESCO)で処理を行っています。低濃度PCB廃棄物については環境大臣が認定する無害化処理認定施設及び都道府県知事等が許可する施設で処理を行っています。

高濃度PCB廃棄物とは(PCB使用の代表的な電気機器)

PCBが使用さてた代表的な電気機器には、高圧トランスや高圧コンデンサ、安定器があります。トランス(変圧器)とは、ある交流の電圧をそれより高いか、又は低い電圧に変える装置であり、コンデンサ(蓄電器)とは、電気を一時的に蓄える、電圧を調整する、位相を変化させる、といった効果を持つ装置です。

低濃度PCB廃棄物とは

PCB濃度が5000mg/kg以下のPCB廃棄物及び微量PCB汚染廃電気機器等(PCBを使用しないとする電気機器等であって、数mg/kgから数十mg/kg程度のPCBに汚染された絶縁油を含むもの)にいつては低濃度PCB廃棄物として適正に処理する必要があります。
微量PCB汚染廃電気機器等の量は、使用中も含めて、柱上トランス以外の電気機器が約120万台、柱上トランスが約146万台、OFケーブルが約1,400kmと推計されています。

高濃度PCB廃棄物の判別方法

■トランス・コンデンサ等の判別方法

トランス、コンデンサ等の銘版に記載さているメーカー、型式、製造年月の情報から判断できます。
「PCB使用電気機器の取扱いについて」(通算産業省機械情報産業局電気機器課、平成27年7月)によれば、PCBを含有する絶縁油を使用している電気機器のうち、変圧器及び高圧進相用コンデンサは、昭和28年(1953年)頃から製造が開始され、昭和47年(1972年)に製造中止となったと記載されています。

詳細は、各メーカーのに問い合わせるか、(一社)日本電気工業会ホームページを参照ください。

■安定器の判別方法

安定器の銘版に記載されているメーカー、型式・種別、性能(力率)、製造年月等の情報から判別できます。
「業務用・施設用蛍光灯等のPCB安定器の事故に関する対策について」(生衛発第1798号、平成12年12月13日)によれば、PCBを使用した安定器は昭和32年(1957年)1月から昭和47年(1972年)8月までに製造された照明器具に使用されていると記載されています

詳細は、各メーカーのに問い合わせるか、(一社)日本電気工業会ホームページを参照ください。。

低濃度PCB廃棄物の分別方法

微量PCB汚染廃電気機器等に封入さてれいる絶縁油のPCB分析を行い、PCB汚染の有無を確認して判別できます。

詳細は、各メーカーのに問い合わせるか、(一社)日本電気工業会ホームページを参照ください。

保管及び処分の状況の届出

PCB廃棄物を保管している事業者は、毎年度、そのPCB廃棄物の保管及び処分の状況に関して都道府県知事(政令で定める市にあっては市長)に届け出なければなりません。
なお、都道府県知事(政令で定める市にあっては市長)は、毎年度、事業者から提出された上記保管等の届出書について、PCB廃棄物の保管及び処分の状況を一般に公表することとなっています。

→届出を行わなかった者、また虚偽の届出をしたものは6ヶ月以下の懲役又は、50万円以下の罰金に処されます。

事業者は、PCB廃棄物を自ら処分するか、若しくは処分を他人に委託しなければなりません。
なお、環境大臣又は都道府県知事(政令で定める市にあっては市長)は、事業者が上記期間内の処分に違反した場合には、その事業者に対し、期限を定め、PCB廃棄物の処分など必要な措置を講ずべきことを命ずることができます。

→この改善命令に違反すると、3年以下の懲役若しくは1000万円以下の罰金に処し、またはこれを併科されます。

期間内の処分

会社案内

一般社団法人日本環境事業支援機構
〒990-2451
山形県山形市吉原三丁目1216
TEL:023-674-7317
FAX:023-674-7320

Copyright (C) 日本環境事業支援機構 All Rights Reserved.